政府広報オンラインの「暮らしに役立つ情報」からです。
どんな場合に、どう呼べばいいの? もしものときの救急車の利用法!
突然の重い病気やひどいケガをした人に、応急手当を行い適切な医療機関に搬送するのが救急隊の役目です。緊急性が高いと判断したときは、迷わず救急車を要請してください。一方で、救急車や救急隊員の数は限られていますので、症状の軽い方が安易な救急要請をすることは望ましくありません。救急車を適切に利用するためのポイントを紹介します。
1.救急車が必要なのはどんなとき?
緊急性の高い症状と判断したら、すぐに「119」番に通報を!
急な病気やケガをしたとき、救急車を呼んだほうがいいのか迷うことがあると思います。
緊急度の高い症状を紹介しますので、このような症状があった場合は迷わずに「119」番通報して救急車を要請してください。
2.救急車を呼んでいいの? 判断に迷ったときは?
全国版救急受診アプリ「Q助」または「救急安心センター(#7119)」をご利用ください!
「緊急性の高い症状かどうか自分で判断できない」「救急車を呼ぶほどではないけど受診したい/相談したい」「119番に電話するのがためらわれる」というときは、電話やインターネットですぐに相談できる下記のような手段があります。判断に迷ったときには、ぜひご利用ください。
全国版救急受診アプリ「Q助(きゅーすけ)」
急な病気やけがをしたとき、症状の緊急度を素早く判断するために、消防庁がウェブ版とスマホ版で提供しているアプリです。当てはまる症状を画面上で選択していくと、緊急度の目安がわかり、必要な対応が表示されます。緊急度が高いと判定された場合は、アプリから119番に電話できます。また、緊急度が高くない場合は、受診できる医療機関や移動手段(タクシーなど)などの情報を、アプリから検索できますので、症状がひどくなる前に医療機関を受診しましょう。
いざ急病人やけが人を目の前にして、誰もが冷静に対処できるとは限りません。緊急時にも必要な対応ができるよう、ぜひ日頃お使いのスマホにインストールしておいてください。
緊急度の分類 | 必要な対応 |
---|---|
いますぐ救急車を呼びましょう! 緊急度が高いと思われます。今すぐ119番に電話してください。 ※「119番に電話する」のボタンから、すぐに119番に通報することができます。 |
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できるだけ早めに医療機関を受診しましょう! 救急車を利用する程ではありませんが、早めに病院に行かれたほうが良いでしょう。 |
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緊急ではありませんが医療機関を受診しましょう! 夜間でしたら翌日の診察でもかまいません。 |
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引き続き、注意して様子をみてください 家庭での経過観察または通常診療時間内での受診を勧めます。 |
救急安心センター事業「#7119」
救急安心センター事業(#7119)は、#7119に電話をかけると診察が可能な医療機関の電話番号を教えてくれるほか、医師や看護師等の相談員が、相談内容により自分で病院にいくべきか、救急車を要請すべきかなどの医療相談を行う窓口です。また、症状に応じた応急手当のやり方をアドバイスしたり、緊急性が高いと相談員が判断した場合は消防署に電話を転送するなどして、救急車の要請を支援したりしてくれます。
「#7119」を設置している地域(平成29年8月現在)
東京都、大阪府、奈良県、福岡県、札幌市(周辺含む)、横浜市、 田辺市(周辺含む)
※平成29年10月以降に、宮城県、埼玉県、神戸市が開始予定。
上記以外の地域は
症状の相談はかかりつけの病院や最寄りの病院、または、お住まいの地域に相談窓口がある場合がありますので、自治体に問い合わせてください。受診できる医療機関は、お住まいの都道府県の「医療情報ネット」(※)で検索することができます。
※各都道府県の医療情報ネットへはこちらから
小児救急電話相談事業「#8000」
休日や夜間に子供が急に病気になったとき、どのように対処したらよいか、病院を受診したほうがよいかどうかなど、迷ったときに相談できる全国共通の電話番号です。
「救急受診ガイド2014年版」
急な病気やけがをして「病院を受診したほうがいいか」「救急車を呼んだほうがいいか」と迷ったときに、ご自身で緊急度を判断できる目安として、「救急受診ガイド2014年版」を公表しています。
下記のウェブサイトからダウンロードできますので、ご利用ください。
日ごろから、地域の救急相談窓口や救急病院などの問い合わせ先を確認し、電話機の近くに電話番号のメモを張ったり、救急相談窓口の電話番号を登録したりしておきましょう。スマートフォンをお使いの方は、ぜひ、全国版救急受診アプリ「Q助」も活用してください。
(イラスト:消防庁)
3.よい「119番」通報の仕方はあるの?
「救急」であることを伝え、住所、症状などを伝えましょう
一刻を争う状況では、必要な情報を簡潔に伝えることが大切です。
「119」番に電話をしたら、電話に出た職員に「救急車が必要」とはっきりと伝えてください。その次に、救急車が来てほしい場所(住所)を伝えてください。救急車は、住所が分かった時点で出動します。あとは落ち着いて、救急車が必要な人の症状や、年齢、性別などを伝えてください。
また、通報内容から通信指令員が救急車の到着前に応急手当の必要があると判断したときは、適切な応急手当の方法を指導します。それに従って可能なかぎり実施してください。
<119番に電話をしたら>
(1)「救急」であることを伝えます
(2)救急車に来てほしい住所を伝えます
(3)具合の悪い方の症状を伝えます
誰が、どのように、どうなったかを簡潔に伝えてください。分かる範囲で意識や呼吸の有無なども伝えてください。必要に応じて、応急手当を指導します。
(4)具合の悪い方の年齢を伝えます。年齢が分からなければ、おおよその年齢でもかまいません。
(5)通報した方の名前と連絡先を伝えます
そのほか、急病やけがの状況や、持病の有無、普段服用している薬、かかりつけ病院なども尋ねられることがあります。分かる範囲でお答えください。
救急車が到着するまでに何をすればいいの?
自宅から119番通報した場合は、保険証や普段飲んでいる薬(またはお薬手帳)などを準備してください。また、けがや病気の状況によっては、何もしないと病状が悪化する場合がありますので、その場に居合わせた人が応急手当をすることが重要です。
<救急車が到着するまでに準備しておくもの>
- 保険証や診察券
- 普段飲んでいる薬(おくすり手帳)
- お金
- 靴 など
(患者が乳幼児の場合は)
- 母子健康手帳
- 紙おむつ
- ほ乳瓶
- タオル など
<応急手当>
意識がない、心臓や呼吸が止まっているときは
具合が悪くなった人が、反応がなかったり、呼吸や心臓が止まっていたり、喉に異物が詰まっていたりした場合には、救急車がくるまでの間に、その場に居合わせた人による「救命」のための手当が必要です。その場にいる人たちが協力して、心肺蘇生やAEDによる「救命処置」を行ったり、喉に詰まった異物を取り除いたりするなどの手当をしましょう。
※救命処置について詳しくはこちら。
大出血などがなく意識があるときは
応急手当の方法は、けがや病気の種類によって異なりますので、日頃から主なけがや病気に対する応急手当を知っておくと、いざというときに役に立ちます。
※主な応急手当についてはこちら。
各消防署や日本赤十字社では、一般の方を対象とした救命講習を実施しています。いざというときに役立つ知識と実技を身に付けるために、ぜひご参加ください。
<救急車が近づいたら>
救急車は、住所などの情報をもとに現場に向かいますが、どんな場所でも付近の道路状況に詳しいとは限りません。人手に余裕がある場合は、救急車のサイレンが聞こえたら現場の外に人を出して案内するようにしましょう。
<救急車が到着したら>
救急車が到着したら、次のようなことを伝えてください。
□事故や具合が悪くなった状況や救急隊が到着するまでの変化
□行った応急手当の内容
□具合の悪い人の情報(持病やかかりつけの病院、普段飲んでいる薬、医師の指示など)
4.救急搬送の現状はどうなっているの?
救急出動件数は増加、現場到着時間も延伸。搬送者の半数は入院の必要がない「軽症」
平成27年(2015年)中の救急自動車による救急出動件数は、過去最多の約605万件で、搬送者数は約548万人です。救急出動件数は、年々増加傾向にあり、平成17年(2005年)から平成27年(2015年)までの10年間で約77万件も増加しています。
平成27年(2015年)の救急車を要請してから救急隊が現場に到着するまでの平均時間は8.6分です。平成17年(2005年)の全国平均時間6.5分と比べると、10年の間に2分以上も救急車が現場に到着する時間が遅くなっています。また、病院に到着するまでの平均時間は39.4分で、8分以上も遅くなっています。
グラフ:救急自動車による119番通報から現場到着・病院収容までの時間
平成27年(2015年)の、救急搬送された人の約半数が「軽症(入院加療が必要ないもの)」となっています。
この「軽症」の中には、骨折などにより自分で病院に行けなかった人が救急車で病院に行き、通院治療は必要だが入院する必要はない場合なども含まれており、「軽症」の全てが不要不急の救急要請というわけではありません。
しかし、中には「指先を紙で切った」「病院でもらった薬がなくなった」や、「どこの病院に行けばよいか分からない」「便利だから」などのように、救急車を安易に利用するといったケースもあるようです。
救急車は限りある資源です。今すぐに救急車で病院に行く必要がある人のために、私たち一人一人が救急車の適切な利用について考えてみましょう。
◎もっと知りたいときは「救急お役立ちポータルサイト」へ
消防庁では、「救急お役立ちポータルサイト」を開設し、救急車の適正利用や救急事故の防止に役立つ様々な情報を提供しています。ぜひご活用ください。
救急の日・救急医療週間
「救急の日」及び「救急医療週間」は、救急業務及び救急医療に対する国民の正しい理解と認識を深め、救急医療関係者の意識高揚を図ることを目的に、昭和57年度に定められ、以来、9月9日を「救急の日」、この日を含む一週間(日曜日から土曜日まで)を「救急医療週間」としています。
期間中、全国各地において、消防庁、厚生労働省、都道府県、市町村、全国消防長会、公益社団法人日本医師会、一般社団法人日本救急医学会、その他関係機関の協力により、各種行事が開催されます
消防庁では、平成29年度、「救急の日2017」を開催します。イベントの一つとして、一般の方から募集する「救急の日ショートムービーコンテスト」を実施します。平成29年は「救急隊・救急救命士の活動」をテーマに作品を募集し、平成29年9月3日に東京・お台場で開催される「救急の日 2017」のイベント会場で、最優秀賞、優秀賞が発表される予定です。
平成28年は「救急車の適正利用」をテーマに募集し、その最優秀賞、優秀賞の作品が消防庁ウェブサイトで視聴できます。ぜひ、ご覧ください。
(画像:一般の部・最優秀賞 稲葉一巳さんの作品「ぼくの街、救急車適正利用のお願い」より)
「救急の日・救急医療週間」について詳しくはこちらをご覧ください。
消防庁 平成29年度「救急の日」及び「救急医療週間」[PDF]
<取材協力:消防庁 文責:政府広報オンライン>
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